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生前対策・人生会議(ACP)としてのおひとりさま対策

1.おひとりさま・おふたりさま対策とは?
おひとりさま・おふたりさま対策とは、一人暮らしの高齢者が安心して老後を過ごすための準備や対策のことです。具体的には、見守りサービス、身元保証サービス、成年後見制度の利用、死後の手続きの準備、経済的な備え、健康管理、社会とのつながりづくりなどが挙げられます。

2.おひとりさま・おふたりさまとは?
①おひとりさま
独身、配偶者と死別
配偶者も子どももいないので、相続人は親または兄弟姉妹
若しくは相続人が誰もいない
②おふたりさま
子どものいない夫婦
相続人は配偶者と親または兄弟姉妹

2-1. おひとり様の分類
おひとりさま・おふたりさまは、3つに分類することができます。
①推定相続人や親族がいるが仲が悪いケース
②推定相続人や親族がいるが迷惑をかけたくないと思っているケース
③推定相続人や親族が誰もいないケース

2-2.増え続けるおひとりさまとその予備軍
令和元年国民生活基礎調査では、全国で一人暮らしの高齢者は約737万人、このうち関東甲信越地方が約4割に達するとされてます。
65歳以上の者のいる世帯は2747万4千世帯(全世帯の50.6%)となっています。 世帯構造をみますと、「夫婦のみの世帯」が 882万1千世帯(65歳以上の者のいる世帯の 32.1%)で最も多く、次いで「単独世帯」が 873万世帯となってます。

2-3.おひとりさまが増加する3つの要因
おひとり様が増加する要因としては3つの要因があるとされています。
①生涯未婚率の上昇
②出生率の低下
③核家族化

2-4.国の対策動向~「高齢者等終身サポート事業に関する事業者ガイドライン」の策定
身寄りがない、家族がいても身近に頼れる人がいない状況にある高齢者等の意思決定等を支援する仕組みが求められている中、近時、高齢者等に対して身元保証や死後事務、日常生活支援等のサービスを行う事業(以下「高齢者等終身サポート事業」という。)が増加しており、今後、その需要の更なる増加が見込まれてます。また「身元保証等高齢者サポート事業における消費者保護の推進に関する調査」(令和5年8月総務省行政評価局)をはじめとし、高齢者等終身サポート事業者に関する課題提起が行われてます。
高齢者等終身サポート事業については、将来にわたる身元保証等サービスであることや死後事務サービスを含むものであり、契約が長期にわたること、サービス提供に先行して一部費用が前払いされるなどのため、契約内容の適正な履行を確認しにくいこと、判断能力の低下が懸念される高齢者を主な対象としているため、契約者の意思能力の有無等をめぐって事後的に争いが生じる可能性があること等の課題があることから、一般的な契約に比べ利用者保護の必要性が高いなど、民法(明治 29 年法律第 89号)、消費者契約法(平成 12 年法律第 61 号)等の民事法の規律等も踏まえ、適正に事業が営まれることが重要といえます。また、このような事業者をめぐるトラブル事例が多々発生しいており、国の公的規制が求められてました。
こうした観点から、国は、高齢者等終身サポート事業者の適正な事業運営を確保し、高齢者等終身サポート事業の健全な発展を推進し、利用者が安心して当該事業を利用できることに資するようにするため、本ガイドラインを策定しました。

3.おひとりさま・おふたりさま対策の全体像
3-1.おひとりさま・おふたりさまが抱える主な課題
①生前の課題としては、
☑日常生活の支援(通院の送迎、買物、介護保険等の手続き)
☑医療行為の同意書に署名、入退院や施設の入退所の手続、入院費・施設費の実際の支払い
☑判断能力低下時の財産管理(特に預貯金、不動産の管理・処分)
☑容体が急変した際の連絡先
☑逝去した後の搬送、葬儀等の手配

②死後の課題としては、
☑死亡の確認・関係者への連絡・死亡届
☑火葬・葬儀・納骨
☑退院・退所手続き・支払い
☑相続手続き
☑遺品整理
などがあります。

3-2.おひとりさま・おふたりさま対策の全体像
おひとりさま・おふたりさま対策は、本人の生前と死後それぞれにおける各段階に応じて、必要となる対策が用意されてます。
【要注意:各対策をするにはその選択時に本人の判断能力が必要】
各対策は、契約や遺言という法律の則った手続きが必要となります。
契約は遺言は、正常な意思能力(判断能力)がないと、効力が生じません(無効・無意味)。
そのため、次の①の段階=判断能力が正常な段階のうちに、将来において生じうる各種の障害を見越して、予め対策をとらなければなりません。生前対策とか人生会議とかいわれるのは、こうした理由もあります。
【①健常状態段階】
☑見守り契約:定期的な連絡・訪問による健康状態・生活状況の確認などをします。
【②身体障害段階】
財産管理委任契約:車椅子生活・寝たきり状態・手が不自由で文字が書けない場合などにおいて、財産管理をします。
【③判断能力低下段階】
任意後見契約:判断能力低下後の財産管理や身上保護(入院・施設入所など)をします。
【上記①②③の全段階】
身元保証サービス:病院への入院や高齢者施設への入所の際などに求められる身元保証人(身元引受人)を代行します。
【④死亡後の段階】
☑死後事務委任契約:火葬・葬儀・納骨・遺品整理・各種支払い・行政手続などをします。
【死後事務完了段階】
☑遺言(相続手続):不動産の相続手続き、不動産(空き家)の売却、預貯金の解約手続き、証券会社の手続き、遺贈寄付などをします。

3-3.おひとり様対策を早期に行うべき3つの理由
理由1 検討する事項が多岐にわたる
理由2 最終的な意思決定は一人でしなければならない
理由3 相談先を見つけるのに時間がかかる
これらの理由から、各対策を選択するまでには、かなりの時間を要します。その間に判断能力を失ってしまいますと、契約は遺言は正常な意思能力(判断能力)がないと効力が生じませんので、手遅れになってしまいます。
そのため、早期の準備が必要となります。

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